足尾上映会

上映 つれづれ(その4)。日光・足尾地区上映会
                      監督 池田博穂

 日光・足尾地区の上映会が終わりました。今市地区と足尾地区の2ヶ所で500人でした。大成功といえると思います。とくに足尾では、昔3万人の人口が今は3千人を切っています。その中で150人の方が入場してくれました。最近、この地域で100人以上が一堂に会することは本当に珍しいことだといいます。
 町の中には古河の事業所も幾つかあり、そこの人たちも何人か来ていました。会場は、かつての坑道をめぐり、資料を見ることが出来る銅山観光に隣接した<銅ふれあい館>です。子どもたちの修学旅行や観光客には、坑道めぐりはかかせないものになっています。嬉しいことにそこに来た夫婦連れも、上映のことを知り参加してくれました。
 私は「ひと昔前なら、古河の城下町といわれた足尾で上映をすることも大変だったでしょうが、今回は市会議員の方々が超党派で取り組んでくれて実現しました。これを機会にみんなで地域づくりに取り組んで欲しいし、正造の言葉をかみしめて欲しい」と挨拶しました。
 エンドロールが映し出されると拍手です。前回も書きましたが藤岡と足尾の拍手だけは私たちにとって、特別な意味があります。会場内にいた金井プロの話によると、何名かは熱烈に拍手をしていたそうです。シナリオやインタビュー集を買ってくれる人もいましたし映画の感想を熱心に話してくれる人もいました。
以下はアンケートからの感想です。
 …田中正造、古河市兵衛、その両側から足尾を見てみたいと思っています。
  田中正造の信念や熱意、行動力に感動しました。すばらしいですね。下流の人々の悲しみも見させていただきました。ありがとうございました。…
足尾に住み、植樹に参加している20代の女性のものです。
  …人としての生き方、利得に走っては真の財産をなさないことを改めて考えさせられました。公害問題、国の政策を優先に行なった為、第二の公害がひきおこり、人のおろかさを考えさせられました。…
匿名の人の意見です。
 今、足尾の山は、うっすらと自然に生えてきた草と数年前に植樹された木の芽吹きで新緑がとてもきれいです。しかし表土を失った緑からは、自然のバイタリティもエネルギーも感じることが出来ません。亜硫酸ガスなどの被害で集団で村を捨てざるをえなかった松木村のあった渓谷や九蔵沢などでは、まだまだ裸山です。(許可がないと行けません)一時の愚挙による環境破壊は、その後何十倍にもわたる空白の時間を作り出すのです。そして自然だけでなく、人間の心にまで大きな影響を与えていると思います。
 足尾で植林は1956年、林野庁・建設省・県による治山事業が初めて。また同じ年、亜硫酸ガスから硫酸を回収する技術が精錬所に導入され、煙がほぼ無害化されて初めて松木の植林が可能となったのです。明治時代にも農商務省の手で植林が試みられたが、その時は煙害ですぐに枯れてしまったという。これまで緑化事業で投じられた国費は林野庁だけで100億円(他の省庁や県は入っていない)…驚くべき数字です。
 現在、植林ではNPO「足尾に緑を育てる会」が大きな力を発揮しています。
 会が直接受け付けたり国交省の業務委託を受けたりして、昨年は100団体、約1万人が参加し、2万本が植えられました。樹種は、はなみずき、こなら、山桜、目薬の木、ブルーベリーなど25種類です。年々増え続ける参加者と外部からの協力の申し出…これは過去のものと考えられがちな足尾鉱毒事件がまだまだ続いているし、これまでの教訓がたくさんの人の心に世代を超えて受け継がれていることに証左ではないかと思うのです。
 皆さんが足尾に行く機会があったら様々なものを見て欲しいし、多少経費もかかるが心と決意を込めて植林もしてきて欲しい。「緑を育てる会」の神山会長さんたちが親切に対応してくれます。
 もうひとつ見てきてもらいたいものがあります。足尾歴史館です。ここには古河の専属写真師であった小野崎一徳さんが撮った、往時の足尾銅山の写真が大量に展示されています。100年ぶりに日の目を見た、正造が曾禰荒助農商務大臣と共に訪れた時の写真も拡大版になって展示されています。映画にも出てきますが、原版で見る正造の姿からは衝撃を受けることと思います。こちらは定休日もあり、冬季間は休みなので確認してから訪ねたほうがいいと思います。
長井館長やボランティアの方が解説もしてくれます。
 連絡先を掲げておきます。
 足尾に緑を育てる会    0288-93-2180
 足尾歴史館         0288-93-0189
 今回は本当につれづれのまま、ごった煮の文章になってしまいました。
 出演者で良き協力者・赤塚真人さんの劇団TA2の芝居のことにも触れたかったのですが、次回廻しです。
 あちこちから問い合わせが来ています。決まり次第おしらせしていきますので期待してください。
 なお今回は毎日新聞栃木版、鉱毒に消えた谷中―足尾のいま(06,5,8~9)を参考にさせていただきました。
                            (07,6,7)

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