大勢の方のご協力で大成功

 上映 つれづれ(その3)
「藤岡町上映会」大勢の方々のご協力で大成功

                      監督 池田博穂

 5月26日、栃木県藤岡町で上映会が開催された。ここは101年前、谷中村が県の一方的な決定で合併させられた地、現在の渡良瀬遊水地の大部分を管轄する町でもある。また映画で証言者として登場する平間正一郎さんは、藤岡町に住んでいた。随分、気骨のある人生を送った人だったと、お話をうかがった。正造、最後の大演説会場となったのは赤麻寺。今は寺の境内から、遊水地が一望できる。谷中に最後まで残留した人々が移転し、正造の分骨地のひとつである田中霊祠をまもり毎年4月には例大祭が行われている町でもある。
(その2)でも紹介しましたが、町やJA、そして正造ゆかりの人々などを中心に、派手さはないけど地味な宣伝・前売り活動が進められた。
 この上映会は私たち製作委員会の主催ということで、早朝に8人が2台に分乗して出発。一台は販売用の関連書籍を乗せた男性陣の車、もう一台はつり銭など金庫を保管した女性4人の車…この車はかしましく、お菓子を朝食がわりにし、まるで修学旅行状態だったらしい。
 私と金井プロデュサーは22日に最後の挨拶と点検に行って、前売りの数をつかんでいた。JAの窓口やドーンと大口の枚数を預かってくれた方の状況を聞いたのだ。その数は何と予想を大きく超える500枚以上!。上映会を企画する段階では、先行して公開した佐野市や館林市に見に行った方も随分いるというとで、「2~300人も集まれば上等じゃないの」という声が圧倒的だった。実際、挨拶に伺うと「もう見ましたよ」という人も多かった。そんな時、何人かの方が「町全体のお祭りイベントにしたら」「右も左もねぇ。町の歴史を知るイベントに」、と助言をしてくれた。それに啓示を貰った我々は、早速、町やJA,マスコミの後援を貰いに走った。
 私と金井プロの心配は、本当に500人の人が会場に足を運んでくれるかということ。ひょっとしたら義理人情に厚い田舎のこと、付き合いで前売り券を買ったのではないか。昨夜まで大雨だったが今日は快晴、気温が上がりすぎてお年寄りは来ないんじゃないか…普段なら考えもしないような不安が際限もなく広がっていく。
 私たちが会場の藤岡町文化会館に到着したのは8時50分、係りの人がテーブルなどを準備して待っていてくれる。これから開場の10時までに受付を作り、シナリオやインタビュー集(映画用のインタビューをすべて書き起こしたもの)など販売用書籍を並べ、映写機の調整をしなければならない。そうしているうち「田中正造大学」(佐野市)の坂原さんが書籍販売の手伝いで、「田中正造翁を学ぶ会」(埼玉県北川辺町)の柿沼さんが自前で作った正造Tシャツの販売に駆けつけて来た。「柿沼さん、販売目標は?」と聞くと「とりあえず20枚持ってきたけどね」、「それで幾ら?」「1,000円」「ちょっと高いんじゃない」「だって原価870円だから」…正直な人だ。
 まだまだ駆けつけてくる人はいた。館内でBGMで流す「鉱毒唱歌」を歌っている柳田さんだ。やはりテープとCDをかかえて来た。そして元バスガイドで館内放送をお願いした吉村さん。柳田さんと吉村さんのコンビは前売り券販売でも大きな力を発揮してくれた。
 9時10分、お客さんの第1号がやってきた。なんと話を聞くと平間正一郎さんのお孫さんだった。足が少し不自由なので開場前だが入ってもらうことにした。日差しも強いので来た方にはロビーで待ってもらうことにすると、隣の福祉センターから10人ほどが入場する。幸先の良い出足だ。これまでの経験からすると開場1時間前に列ができるときは、盛況になる確立が高いのだ。しかし第1回目は、お年寄りの多い時間帯だ。
 お客さんは、続々とやってきた。当日券も売れている。
 上映に先立って吉村製作委員会代表と私が挨拶。代表は現代におけるこの映画の持つ意味と英語版製作の状況、私は田中正造が今でも慕われている意味と彼が生き抜いた明治時代をもう一度考えようということと外国語版へのカンパをお願いした。
 映画が終わると拍手が・・・これは他の会場でのものとはちがい、私たちには大きな感激である。「頑張って作ってよかった」、吉村代表も金井プロもそう思ったに違いない。カンパをしてくれる人、シナリオなどを購入してくれる人、私は記念のサインをしながら何度もお礼と広めてもらえるようお願いをした。
 第2回目は永島町長が挨拶に駆けつけてくれ、遊水地の過去・現在・未来を語ってくれた。遊水地に対する考え方はそれぞれあると思うが、映画や町長の挨拶を契機に、これまで以上に活発な論議がなされコンセンサスができると良いと思う。
 第3回目。いつも通りならガクッとお客さんの減る時間帯だ。まだ金井プロと確認した前売りの数も入場していない。愕然!読み間違い!!そして不安!!!・・・だがお客さんはやって来た。乗用車で夫婦が、ワンボックス車で家族が。議員バッチをつけた県会議員や市町村会議員、近隣の町の生涯教育課員そして中学生や高校生同士が。この回が一番入場者が多い。そして拍手。
 この日の入場者数800人、人口17,000人の町で素晴らしい数ではないか。映画に登場する島田宗三さんの甥で田中霊祠の守り手でもある島田稔さんが、近寄ってきてカンパをしながら「いやぁ、よかったね」と言ったのが胸に残った。そのとき島田さんの目は心なしか潤んでいた。
私たちが念願していた藤岡町での上映会は、大勢の方のご協力で大きな成功をおさめることができた。そして人間関係と地道な努力の継続こそ成功の元と実感した。
6月2日は、いよいよ足尾での上映会。最後の一踏ん張りだ。
                          (07,5,29)

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この記事へのコメント

shozo
2007年05月29日 16:48
足尾町上映会のご案内
日時:6月2日(土)1回目10:30 2回目14:30
会場:銅(あかがね)ふれあい館
主催:赤貧洗うがごとき日光市上映委員会
お問合せ:0288-22-2271

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